お役立ち情報
社員のスキルや成長に関してよく出てくるキーワードに「経営視点」というものがあります。この経営視点は実際には企業を経営する役員以上の経営陣が持つ、もしくは持つべき視点とされていますが、現場で働く社員全員がこの経営視点を身につければ、組織はもっとよくなるのでは、とお考えの方もいるでしょう。
今回はこの「従業員に経営視点を持たせるには」という、マネジメント層でよくある悩みについて解説します。
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「何が学べるのか」「どのような研修なのか」ぜひご覧ください。
目次
そもそも「経営視点」とは
「経営視点」とはその名の通り、経営者の視点です。経営者は自社の売上や財務状況、市場の状況など、社内外のあらゆる情報を俯瞰し、意思決定を行っています。
こうした視点を現場で働く従業員も身につけられれば、社内の動きはより活発化するとともに、全員が能動的に社会に向けての価値提供・利益の最大化に向けて動けるようになるでしょう。
特に従業員が身につけるべき経営視点は大きく以下の3つの状態スキルとなるでしょう。
・企業の構造や仕組みを理解している
・企業内での自分の役割や組織の目的を理解している
・業界・市場の知識や構造を理解している
これらを学習するべき領域として切り分けると大きく以下の4つになります。
・マーケティング
企業において利益を生み出すための要素や施策を網羅的に認識・分析し実行する
・財務・会計
PLなどの財務諸表を理解し、企業内のお金の流れや構造を理解する
・マネジメント
マネジメントの原理を理解した上で、目標達成のために必要なリソースの配分や管理を行う
・経営戦略
市場や社会に対しての会社全体としての方向性を理解する
これらの4つの領域が「経営視点」に必要な学習領域となります。
なぜ経営視点が持てないのか
① 従業員と経営者の立場の違い
従業員が経営視点を持てない理由は「従業員に求められる業務内容が経営ではないから」です。
多くの企業では「営業部」「マーケティング部」「人事部」「財務経理部」といった形で、職種ごとに部署が設けられた分業体制になっているかと思います。大半の従業員はその部署の中で与えられたミッションに取り組み、成果を上げることが求められています。業務上、他部署と連携してプロジェクトを進めることはあっても、あくまで課せられている使命は自分の担当する部署で与えられるミッションです。
一方で経営者はそれらの部署ごとの働きをまとめ上げる存在です。それぞれの部署の成果を見ながら、適切なリソース配分や経営戦略の策定を行います。普段の業務では、従業員が会社全体の指針を策定することもなければ、経営者が現場で作業を行うこともないでしょう。こうしたそもそもの役割の違いが、従業員に経営視点が身につかない原因であると言えます。
もちろん部署単位での成果が企業全体の成果につながっているのですが、営業以外の直接売上を獲得しない部署であればそのつながりもなかなか可視化できないのが現状です。
② 「経営視点」の定義のあいまいさ
「経営視点」という言葉は良くも悪くもはっきりとした定義、共通認識が持てないキーワードの1つです。前述した立場・役割の違いがあるなかで、こうした言葉だけを伝えて「経営視点を持て」と言われても、従業員にはイメージがしづらく、そこには認識の齟齬が生まれているかもしれません。
従業員は経営視点を持てと言われて、自分が様々なプロジェクトの舵を取りながら必死に業務を遂行していたものの、上司が求めていたのは売上や費用、利益構造に関する基礎知識と自社の財務状況の把握だった、という食い違いも珍しくありません。
立場・役割の差があるなかで、理想の状態の共通認識が持てていないことがこうした認識の齟齬を生んでしまいます。
③ それぞれの領域が独立して捉えられている
前章で、経営視点を持つために必要な学習領域は以下の4つであると解説しました。
- マーケティング
- 財務・会計
- マネジメント
- 経営戦略
これらの領域を書籍や講義で学習する際には、これらの領域がそれぞれ独立したものであると認識してしまうことも少なくありません。また、これらの座学の学習では、知識としてのインプットは可能ですが、実務としてアウトプットに繋げられるかは、学習者それぞれに委ねられてしまいます。
経営視点を持たせるためには
従業員に経営視点を持ってもらうためには、研修や社内制度の改定などが不可欠です。
その中でもすぐに取り入れられる以下の2つの例をご紹介します。
言葉の言い換え
まず、経営視点をどのような視点であるか、どのようなスキルを身につけるべきかを定義し、伝えることが必要です。先述したとおり、経営視点とは、あくまで経営者が経営者として企業を牽引するために必要な視点・スキルです。この言葉を従業員に伝える際には、一度身につけてほしい視点やスキルを、「会計の知識」や「自社の財務状況の理解」「マーケティングスキル」といった具体度の高い言葉に言い換えることで、より伝わりやすく、身につけやすい言葉になるでしょう。
情報の開示
もう1つは、可能な限り情報を公開することです。先日のnoteでも触れましたが、従業員が等しく、多くの情報を持つことは視座の統一や、俯瞰で物事を捉える上で重要です。Slackのオープンチャンネル化を推進したり、営業活動を可視化したりと、社内の従業員が等しく情報を手に入れられる環境づくりが必要です。
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