導入企業インタビュー
株式会社セガ
「感動体験を創造し続ける〜社会をもっと元気に、カラフルに。〜」をミッションに掲げ、家庭用ゲーム機、PC、スマートデバイスに向けたゲーム、アーケードゲーム、プライズやデジタルサービスの企画・開発・販売・運営を行っている。
編成局 企画本部 戦略企画部
杉本 征一郎 様
「セガ」ブランドの『ソニック』や『龍が如く』、『ぷよぷよ』、そして「アトラス」ブランドの『真・女神転生』や『ペルソナ』など、高いIP力を持つシリーズを展開するセガ様。今回は編成局 企画本部 戦略企画部の杉本氏に、マーケティングタウン(2日間プログラム)の導入の決め手や効果についてお伺いしました。
これまでの人材育成の取り組み
マーケティングタウン編集部(以下、編集部):
これまで、セガさんではどのような人材育成を行っておられましたか?
杉本氏:
会社として研修に力を入れており、セガサミーグループでは「セガサミーカレッジ」という研修メニューを会社が用意したりしています。
マーケティングやアカウンティングといった業務に直結するものから、ファシリテーションやアンガーマネジメント研修など、応募式で受講できる研修を幅広く行っています。
ただ、今回のように部署単体で研修に取り組んだのは初めてでした。
編集部:
今回部署ごとでの研修実施は初めてとのことで、マーケティングタウン研修の導入にいたった背景を教えて頂けますか?
杉本氏:
「通常の座学を1度受けただけではなかなか定着しない」という課題を抱えていたのが今回マーケティングタウン研修を導入した一番の理由です。なので、なにか座学以外のプラスアルファの研修はないかなと思っていました。
我々の部署では、会社の3〜5年の中期戦略設計という、会社の方向性を示す仕事をしています。いわゆる戦略立案や環境分析を主に行う仕事です。
そこで、「我々の仕事は、単純にマーケティングや、アカウンティングだけというものではなく、それらを複合的に考える必要がある」ということを体感できるものはないかと考えたとき、それらを同時に体感して学べるマーケティングタウンが良いと思いました。
また、弊社はゲームの会社なので、どうせなら楽しんで学べるのがいいよね!っていうのもありましたね。
研修前の課題
編集部:
マーケティングタウンの導入前の課題はあったのでしょうか?
杉本氏:
全社の研修も非常に充実しているのですが、今回は特に研修後、すぐに実践に活かせる学びを求めていました。本当は、定着には反復することが望ましいと思いますが、普段の業務時間の兼ね合いもあり、なかなか反復学習をさせることができずにいました。
シミュレーションで定着しやすく、実践に結びつけやすい研修が必要だと考えていました。
実際にマーケティングタウン研修を実施してみて
編集部:
実際に「Marketing Town the Team」を実施してみていかがでしたか?
杉本氏:
今回は財務(利益構造の理解)と経営戦略に関する内容でしたが、戦略とゴールをあらかじめ共有して目線合わせをしておくことの重要性がわかりやすく体感できたと思います。
また、同じ研修を受けたことによって受講者間で、共通言語が醸成できたのも見てとれました。
ゲームはチーム戦形式だったので、数字をもとに戦略や道筋を立ても、それを共有するときのチームコミュニケーションの難しさを実感しました。作戦会議タイムでは、簡潔に戦略や方向性を伝える重要性をリアルに実感できましたね。
編集部:
限られた時間の中で、必要な情報を組織間ですり合わせて実行に移すというのは普段の業務でも非常に重要ですよね。特に昨今のリモートワーク下では、どの企業も課題として感じている部分ですね。
杉本氏:
そうですね。
また受講者のリアクションとして、「売上と投資のバランスや、戦略の一貫性=全体の流れということが体感としてイメージできた。」「大枠として自分の業務がどのように繋がっているのか理解できた。」など、他にも研修の目的に沿った学びがしっかりとあったようでした。
編集部:
そのほか研修で印象に残ったシーンなどはありますか?
杉本氏:
座学と、ゲームでの実践を交互に繰り返すプログラムが良かったですね。1日のプログラムの中でも反復学習ができたので、ビジネスの感覚を掴みやすいと思いました。
また、このご時世においてオンラインで実施できる点もよかったです。同じような実践形式の研修サービスは他にもあると思いますが、オンラインで実践形式の研修を提供いただけたのは、ありがたかったです。
研修後の変化
編集部:
研修後の業務で、何か受講者に変化はありましたか?
杉本氏:
コミュニケーションの部分で、どのように伝えようかということを考えてくれているなと感じます。
同じ部門とはいえ、メンバーごとでそれぞれの取り組む業務は違うわけです。そうした中で目的のために認識をすり合わせる意識が高まったと感じます。
今回の研修では、あえてチーム分けを普段業務が被らないメンバー同士でチームを構成してみました。それが、メンバー間の意思疎通を促進するポイントにもなり、業務にも生きていると実感しました。
今後、より広く組織や部署をまたいでの研修実施も良いのではと思いました。
編集部:
なるほど。より広げていくのは面白そうですね!
杉本氏:
今の我々の部署の仕事は、自分たちだけでは完結しません。「3年後こういう戦略・方向性でいきましょう。」といっても実際にやるのは、開発の部署やマーケティング部門、プロデューサーの人たちです。
なので、その人たちが同じ認識で、言っていることをちゃんと把握して「そうだね。やらなきゃね。」って思ってもらうと会社組織としてより機能すると思います。広く組織をまたいで実施するのは非常に有益だと思いますね。
それぞれの部署から1名ずつを集めたチームを組んでチーム対抗戦とかもやりたいですね。普段の自分と違う役割をする人がいても面白いだろうなと思います。
編集部:
なるほど!普段と別の視点の気づきが得られそうですね!
ゲームパートでの良かったところはありますか?
杉本氏:
1日目と2日目でゲームに対する印象が変わったところです。
1回目は「こうすれば経営がうまくいくだろう」のような王道パターンを見つけられたと思いました。でも、2回目に自分のチームとは真逆の戦略をとって結果を出していたチームがあったんです。
自分がイメージできる単純なパターンに当てはめるのではいけないなと思いました。さまざまな戦略がゲームの中でもあって、実際のビジネスに即している部分も多く、奥深いな!と思いましたね。(笑)
1回だけでは気づかなかった戦略や、違った道筋を見つける部分が複数回プレイすることでわかる。それぞれの戦略や考え方についてメンバー間で議論するのも面白かったです。
今後のマーケティングタウンに期待すること
杉本氏:
受講者も主体的に参加できる研修だと思うので、あえて受講者同士でディスカッションする時間をもっと長めにとると、よりメンバー同士で相互に気づきを促し合うこともできるかと思いました。
また、次は個人戦も試してみたいですね。自分のできる部分やウィークポイントがわかったり、また違った視点で学びを得られたりして良いのではと思います。
編集部:
コロナ禍での情勢が落ち着けばオフライン(対面型)でも実施可能です。またオンライン上で個人戦ができるようなオペレーションの設計も現在進めています!
目指すチーム像
編集部:
それでは最後に、今後目指していくチーム像を教えてください。
杉本氏:
我々の業務は自分たちだけで完結する仕事ではありません。業務の関連性を理解したリアリティのある戦略立案ができたり、それらを的確に伝えられるチームにしていきたいですね。3年5年と未来を考える仕事なので、さまざまな情報や予測をしっかり組織で言語化し、より浸透させられるチームを目指します。
編集部:
理想的なチーム像ですね!ありがとうございました!
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